アディショナルタイムにガブリエウ・マルティネッリが劇的な同点弾を決め、アーセナルがマンチェスター・シティから勝ち点1をもぎ取った。
試合はアーリング・ハーランドの早い時間帯のゴールにより、シティが優勢に進めていたが、アーセナルは試合を通してボールを支配し、終盤にその努力が報われた。
とはいえ、リバプールとの優勝争いでは後れを取り、アーセナルは現在5ポイント差で追う立場となっている。
以下は、この引き分けから得られた3つのポイントである。
マルティネッリ、再びヒーローに
今季序盤は自信を欠いていたマルティネッリだが、この1週間はまさに夢のような時間となっている。
ビルバオ戦では途中出場から得点を挙げ、この試合でも貴重な同点弾を記録した。
エゼのロングボールに反応して裏へ抜け出し、ジャンルイジ・ドンナルンマとの1対1を冷静に制したプレーは見事だった。
エミレーツ・スタジアムは歓喜に包まれ、チームメイトたちも彼を取り囲んだ。
左サイドのポジション争いはエゼの加入でさらに激化しているが、マルティネッリのスピードと決定力はやはり大きな武器だ。
メリノ&ライスのコンビは限界?
アルテタ監督が前半だけで2人を交代させたのは非常に珍しい。
今回の決断は、試合前の選択が誤りだったことを示唆しているのかもしれない。
アーセナルはアンフィールド戦でもミケル・メリノとデクラン・ライスを「ダブル8」として起用したが、今回もその組み合わせは機能しなかった。
両選手とも背を向けた状態でのプレーを好み、前半は創造性に欠けた展開が続いた。
これまではマルティン・ウーデゴール不在時のやむを得ない選択とも言えたが、現在はエゼやイーサン・ヌワネリといった選択肢がある。
実際、この試合でもエゼのロングパスが同点弾を生んでおり、攻撃的なMFの重要性が改めて浮き彫りになった。
グアルディオラが原則を捨てた瞬間
大一番での戦術選択に批判が集まるアルテタ監督だが、今回の試合ではむしろペップ・グアルディオラ監督が従来の哲学を捨てる異例の展開となった。
シティは試合終了時点でのボール支配率がわずか32.8%。
後半にはハーランドをニコ・ゴンサレスと交代させ、フィル・フォーデンもナタン・アケに代えるなど、明らかに守備重視の姿勢を取った。
これまでのようにエミレーツでアーセナルを圧倒するどころか、今回は耐える展開を選択したことは、アーセナルの成長を物語っている。
(The Standard)