アーセナルの2025年プレシーズンは、決して順調とは言えない滑り出しだった。攻撃面での流動性を欠き、決定的な場面を作り出せない試合が続いていた。
しかし、プレミアリーグ開幕を目前に控えた最終戦で、その流れが変わる。アスレティック・クラブとの一戦で3-0の快勝を収め、復調の兆しを見せたのだ。
この試合で注目を集めたのは、新加入のヴィクトル・ギェケレシュ。昨季はリーグ戦でヘディングによる得点がなかったが、この試合ではマルティン・ズビメンディのクロスに合わせ、移籍後初ゴールを頭で決めた。
ブカヨ・サカも得点を挙げ、チームは攻撃面での自信を取り戻したように見える。しかし、ミケル・アルテタ監督はさらなる攻撃力アップを望んでいる。
現在、補強の最優先候補とされているのはクリスタル・パレスのエベレチ・エゼ。しかし、契約解除条項は6800万ポンドと高額で、交渉は停滞している。
そんな中、代替案として浮上しているのがアタランタ所属のアデモラ・ルックマンだ。
スペインの報道によれば、アーセナルはルックマン獲得に向けて3900万ポンドの入札を準備中。インテル・ミラノも関心を示しており、争奪戦になる可能性が高い。
ルックマン本人はアタランタ退団を希望しており、条件次第では交渉が急展開することも考えられる。
ルックマンは昨季公式戦40試合で20得点を記録。ポジションは主に左ウイングだが、センターフォワードとしてもプレー可能な多様性を持ち、プレースタイルはかつてのアーセナルの象徴的存在アレクシス・サンチェスを彷彿とさせる。
サンチェスは加入初年度に全公式戦で25得点、うち18得点を左サイドから記録し、翌シーズンには30得点をマークするなど圧倒的な存在感を放った。
ルックマンもまた、ドリブル突破やゴール前での決定力に優れ、昨季セリエAでは最多のドリブル試行数(186回)とボックス内タッチ数(170回)を記録している。
かつてはチャールトン、エヴァートン、フラムといったクラブで伸び悩んだが、イタリアで才能を開花させたルックマン。
もしアーセナルが獲得に成功すれば、左サイドからの攻撃力は一気に厚みを増し、サカとの両翼による破壊力はプレミア屈指となるだろう。
開幕直前の移籍市場で、ノースロンドンのクラブは大きな一手を打つ準備を整えている。
(Football FanCanst)