アーセナルが進める長期的なクラブ戦略が高く評価されており、オーナーのスタン・クロエンケ氏がクラブに「王朝」を築こうとしていると伝えられています。
元エバートン、アストン・ヴィラ、アバディーンのCEOで、現在はエリートクラブを対象としたコンサルティング会社を運営するキース・ウィネス氏は、Football Insiderの独占インタビューの中で、このクロエンケ氏のビジョンについて語りました。
アーセナルは、エクアドルのインデペンディエンテ・デル・バジェからエドウィンとホルガー・キンテロの2選手獲得に合意しており、アカデミーのさらなる強化を図っています。
同クラブは、ピエロ・ヒンカピエやモイセス・カイセドを育てたことで知られており、近年アーセナルも育成面で成功を収めています。
直近では、15歳のマックス・ダウマンがトップチームデビューを果たし、将来を嘱望される存在として注目を集めています。
ウィネス氏は、Football Insiderのポッドキャスト番組「Inside Track」に出演し、アーセナルのスポーツディレクターであるアンドレア・ベルタの仕事ぶりを高く評価しました。
ウィネス氏は次のように述べています。
「ここ最近のアーセナルは、本当に良い兆しを見せています。新たに加わったアンドレア・ベルタは素晴らしい仕事をしており、アカデミーや若手補強の面でも成果を出しています。15歳のマックス・ダウマンのような逸材も出てきましたし、他にも複数の有望株をリストアップしていると聞いています。
また、ミケル・アルテタも、私がアーセナル関係者から聞いている限りでは、将来にわたって続くレガシー作りに積極的に関わっているようです。クロエンケ氏には“王朝”を築きたいという明確な意図があり、短期的な投資家というより、長期的な視点でクラブを成長させようとしていることは間違いありません」
さらにウィネス氏は、エミレーツ・スタジアムの再開発計画についても、近いうちに新たな発表があるのではないかとの見方を示しました。
スタジアムの改修とアカデミー強化という二本柱で、アーセナルは将来に向けた基盤作りを進めている形です。
ウィネス氏は「多くのクラブがようやく長期戦略の重要性に気付き始めているが、その中でもアーセナルは一歩前を走っている」と評価しています。
チェルシーもアカデミー部門で成功を収めているものの、アーセナルとともに他クラブが追いかける立場にあるとの見解です。
その一方で、アーセナルは現在進行形で即戦力の補強も狙っています。
ベルタは、エルチェ所属の20歳MFロドリゴ・メンドーサ獲得に向けた動きを主導しており、1月の移籍市場で1700万ポンドの移籍が成立する可能性があります。
ただし、この才能あふれる若手MFには、マンチェスター・シティやレアル・マドリードも興味を示しているとされ、争奪戦の様相を呈しています。
メンドーサが加入した場合、アルテタのスカッドの層はさらに厚くなり、今季プレミアリーグ制覇を目指すアーセナルにとって大きな追い風となるでしょう。
アカデミーの強化、スタジアムの再開発、そして若手有望株と即戦力のバランスを取った補強戦略。
こうした取り組みを通じて、クロエンケ氏が描く「アーセナル王朝」は、着実に土台作りの段階を進んでいると言えそうです。
(Football Inside)