かつてアーセナルのユースチームに在籍していたチェコ人FW、マルティン・グライシアルが、若き日の移籍失敗について語りました。
2022年にカナダのヨーク・ユナイテッドを退団後、わずか23歳で現役を引退した同選手が、母国メディア「MF Dnes」のインタビューに応じ、アーセナル加入が破談になった経緯を明かしています。
グライシアルはスパルタ・プラハとヴィクトリア・プルゼニの下部組織で育成され、2015年にアーセナルのアカデミーへ期限付きで加入。
当時はアーセン・ヴェンゲル監督のもと、トップチームでの練習参加も予定されていたと言います。
「すべて合意していた。2度目のロンドン行きも普通に決まっていて、プルゼニには4000万コルナ(約160万ユーロ)の移籍金が支払われる予定だったんだ」と振り返るグライシアル。
しかし、その移籍は直前で取りやめとなりました。
本人によると、その理由は身体の不調。
成長期に急激な身長の伸びがあり、背中や鼠径部に痛みが出始めていたとのことです。
さらにプレッシャーからくる心身の不調も影響し、「筋肉がつねに突っ張るような症状が出ていた」と語っています。
アーセナルでの検査ではMRIを含む精密検査が実施されましたが、その結果、移籍は白紙に戻され、グライシアルは帰国を余儀なくされました。
「正直に筋肉の違和感を伝えてしまった。もし黙っていて少しでもプレーしていたら、状況は違っていたかもしれません」と後悔の念をにじませます。
この経験が彼のキャリアに影を落としたことは間違いなく、自らの言動がチャンスを遠ざけたと自己分析するグライシアル。
「ピッチに立っていれば何かが変わっていたかもしれない。それが分からないのが一番悔しい」と語っています。
才能を認められながらも、あと一歩のところで欧州ビッグクラブ入りを逃した若者の物語は、プロ選手としてのキャリアの難しさを改めて浮き彫りにしています。
(Sport Witness)