アーセナルが再び大型補強の噂に浮上している。
イギリスメディア「TeamTalk」によると、パリ・サンジェルマン所属の19歳MF、ワレン・ザイール=エメリが移籍金約9000万ユーロ(約155億円)で獲得可能な状況にあるという。
ザイール=エメリはすでにPSGで公式戦150試合近くに出場しており、ヨーロッパでも屈指の若手有望株とされている。
同メディアによれば、複数の仲介人がPSGに対して選手の移籍可能性を打診しており、アーセナル、マンチェスター・シティ、レアル・マドリードといったビッグクラブが移籍先候補として名前を挙げられている。
「フランスの強豪クラブに対して、19歳の移籍の可能性について話し合いが持たれた」とTeamTalkは報じている。
とはいえ、アーセナルにとって重要なのは、その才能ではなく「今のチームに必要なのかどうか」だ。
すでにデクラン・ライス、マルティン・スビメンディといった主力に加え、将来有望な若手も複数抱えており、中盤の陣容は充実している。
ただし、ザイール=エメリは今季3つのポジション(中盤や右サイドバックなど)でプレーしており、その汎用性は魅力的だ。
TeamTalkはまた「ローテーション要員として9000万ユーロも投じるとは考えにくい」と述べ、ライスとスビメンディのコンビが機能している現状では、補強の優先度は高くないと指摘している。
一方、より自然な移籍先として挙げられているのがマンチェスター・シティだ。
ペップ・グアルディオラ監督は以前からザイール=エメリに注目しており、主力ロドリが膝の重傷で長期離脱中であることもあり、後継者候補として適していると見られている。
スペインの「Defensa Central」は、レアル・マドリードも関心を示していると報じているが、同クラブも中盤はすでに充実しているため、現実的な選択肢かどうかは不透明だ。
アーセナルにとってこの補強が現実味を帯びるとすれば、それは必要性よりも「クラブの姿勢を示す」ためだろう。
19歳に約155億円という投資は、スポーツディレクターのアンドレア・ベルタとミケル・アルテタ監督の本気度を象徴する動きにも見えるが、同時に中盤のバランスを崩すリスクもはらんでいる。
ザイール=エメリは素晴らしい才能であり、将来的にエミレーツで彼の姿を見ることを夢見るファンも多いはずだ。
年齢の割に経験豊富で、技術に優れ、プレッシャーにも強い。
マンチェスター・シティやリヴァプールと本格的に渡り合うには、こうした選手の獲得も検討に値する。
とはいえ、現実的な視点も重要だ。
すでに充実している中盤に大金を費やすよりは、攻撃陣の層や守備の補強に投資すべきとの声も根強い。
今回の動きは、むしろシティのようなチームにふさわしい補強かもしれない。
アーセナルにとっては、将来性と費用対効果のバランスが問われる慎重な判断が求められるだろう。
(EPL Index)