この夏の移籍市場は、トッテナム・ホットスパーにとって非常に重要なものとなります。というのも、2024/25シーズンの惨憺たる成績を挽回し、翌シーズンにプレミアリーグで順位を上げるためには、補強が欠かせないからです。
クラブがリーグ後半に沈んだことで、アンジェ・ポステコグルー監督の将来について疑問の声が上がっています。2025/26シーズンも彼が指揮を執るのかは、現時点では明らかではありません。
とはいえ、UEFAヨーロッパリーグ準決勝に進出したことで、彼がノースロンドンでのキャリアをつなぎ止める可能性もあります。もしこれで17年ぶりのトロフィー獲得となれば、大きな成果となるでしょう。
仮にポステコグルー監督がその偉業を成し遂げた場合、来季チームをさらに高みへと導くためにも、クラブオーナーからの積極的な補強の支援が必要になります。
そして、夏の移籍市場を前に、すでに複数の重要なポジションで本格的な補強の動きが始まっているようです。
最近では、スパーズが攻撃陣の補強を狙っているという報道が続いており、特にウォルヴァーハンプトンのスター選手マテウス・クーニャの獲得の噂が大きく取り上げられています。
ブラジル人のクーニャは、ここ数か月で新契約を結んだばかりですが、移籍の意思を示しており、獲得を目指すクラブは契約に盛り込まれた6250万ポンドの契約解除条項を支払う必要があります。
この25歳の選手に関しては、トッテナムだけでなく、マンチェスター・ユナイテッド、ノッティンガム・フォレスト、アーセナルといったクラブも関心を示しているようです。
また、タイラー・ディブリンやリアム・デラップといった名前も補強候補として挙がっていますが、より注目されているのは、ボーンマスのウィンガー、アントワーヌ・セメニョです。
スペインのあるメディアによれば、スパーズはこのアーセナルファンとも噂される選手に対して、5000万ポンドのオファーを準備しているとされています。
セメニョがソン・フンミンの後継者として完璧な存在である理由
ソン・フンミンは過去10年にわたってトッテナムに多大な貢献をしてきた選手であり、2015年夏にレヴァークーゼンから加入して以来、チームの希望の光となってきました。
韓国代表のソンは、トッテナムで通算448試合に出場し、173ゴールを記録。クラブ歴代得点ランキングで5位に名を連ねています。
しかし、来季の開幕時には33歳を迎えるソンは、プロとしてのキャリアの終盤に差し掛かっているといえます。したがって、今のうちから後継者を見据えた準備が必要です。
また、近年は怪我の頻度も増しており、現在も足の故障で離脱中。アイントラハト・フランクフルト戦でのヨーロッパリーグ勝利にも出場できず、次戦のフォレスト戦も欠場予定です。
こうした背景から、ポステコグルー監督は夏の補強ターゲットとしてセメニョに注目している可能性があり、このガーナ代表選手はソンの後継者として理想的な存在です。
2024/25シーズンのプレミアリーグにおける成績を比較すると、セメニョは多くの主要な指標でソンを上回っており、トッテナムにとって非常に価値ある補強になることがわかります。
セメニョは「ワールドクラス」と評されたこともあり、リーグ戦での得点数がソンを上回っているほか、1試合あたりの枠内シュート数も多く、攻撃面での脅威となっています。
2024/25 プレミアリーグにおけるセメニョとソンの比較(90分あたり)
スタッツ | セメニョ | ソン |
---|---|---|
出場試合数 | 32 | 28 |
得点数 | 8 | 7 |
シュート数 | 3.7 | 2.4 |
枠内シュート数 | 1.2 | 1 |
タックル&インターセプト | 1.9 | 1 |
ドリブル成功数 | 2.1 | 1.3 |
空中戦勝利数 | 1.9 | 0.3 |
(データ提供:FBref)
ドリブル成功数や空中戦勝利数でもソンを上回っており、前線での総合的な存在感がチームの成功に大きく貢献することが期待されます。
5000万ポンドという移籍金はクラブにとって大きな投資ではありますが、トッテナムがこれまで築いてきた実績を取り戻すには、必要な出費といえるでしょう。
セメニョは今季、すでに自身の持つクオリティを証明しており、より大きな舞台が彼にとっても飛躍のチャンスとなるはずです。スパーズへの移籍はその絶好の機会となり得ます。
(Football FanCanst)