今回は、歴史が長いイングランドサッカーにおいて古くから注目されている「ダービーマッチ5選」を紹介します。
ノースロンドン・ダービー
ノースロンドン・ダービーとは、首都のロンドン北部を本拠地とするアーセナルとトッテナム・ホットスパーの間で行われるダービーマッチの異称で世界的にも注目度が高く、特に近年はレベルも最高峰のダービーマッチとして有名。
1913年にアーセナルがトッテナムの本拠地ホワイト・ハート・レーンから6㎞ほどの距離にアーセナル・スタジアムに本拠地を移したことがきっかけ。翌年に初対戦をしている。
両者の関係が悪化する出来事となったのは、1919年に1部リーグの拡張により最下位トッテナムは残留可能のはずだったが、FAがトッテナム降格と謎の2部で5位だったアーセナルの昇格を決定。この判断は裏でアーセナル経営陣の工作が囁かれ、両者の関係は一気に悪化。
特に両クラブを通しての移籍はタブーとされており、ソル・キャンベルやアデバヨールは今でも裏切り者のレッテルを貼られている。
ノースウエスト・ダービー
ノースウエスト・ダービーは、マンチェスター・ユナイテッドとリバプールが対決するダービーマッチの異称で、イングランドで最も名高い対戦とも呼ばれる。
歴史家によると両クラブのライバル意識は産業革命の時期から存在していて、お互い発展していた都市で共存関係にあったもののマンチェスターが独立したことでリバプールの失業者が増え、その際に敵意が芽生えたことがきっかけだという。
近年は厳重な警備体制により逮捕者は少なくなってきているが、今でも両サポーターは互いのことを毛嫌っており、マンチェスター・ダービーよりライバル意識を持つ人も多い。
その関係性は選手間でもあり、リバプールレジェンドのスティーヴン・ジェラードは自身のユニフォームコレクションにマンチェスター・ユナイテッドのユニフォームは1枚も無いという。
サウスコースト・ダービー
サウスコースト・ダービーとは、イングランド南部に本拠地を構えるサウサンプトンとポーツマスの間で行われるダービーマッチの異称で初対戦は1899年。
わずか27㎞の距離にあるお互いの本拠地とどちらも港町であることからライバル関係にあり、経済状況を対比したことで関係が悪化。
更に2002年にポーツマスをプレミアリーグ昇格させたハリー・レドナップ監督が、オーナーと衝突して退任した後にサウサンプトンの監督になったことでサポーターの怒りを買った。(後に再びポーツマスの監督になる)
世界的には有名でないが、歴史が長くサポーター同士で非常に盛り上がる試合となっている。
タインウェア・ダービー
タインウェア・ダービーとは、ニューカッスル・ユナイテッドとサンダーランドの試合を指す異称。
その背景には、 16世紀に石炭産業の利権争いで軍事衝突にまで発展した経緯があることからお互いの町のことを毛嫌う文化が残っており、その影響を受けているという。
初の対戦は1883年のことであり、以降暴力事件が頻発することで有名なダービーとして試合当日はかなりの逮捕者が出るという。
スティールシティ・ダービー(シェフィールド・ダービー)
スティールシティ・ダービーとは、イングランドのサウス・ヨークシャー州シェフィールド市を本拠地とするシェフィールド・ユナイテッドとシェフィールド・ウェンズデー によって行われるダービーマッチで、シェフィールド・ダービーとも呼ばれる。
世界的な関心は低いもののシェフィールド市での関心度は非常に高いという。理由としては通算対戦成績がほぼ互角なことと両チーム違うディヴィジョンのリーグに所属することも多いので、対決がレアになっていることが挙げられる。
このダービーが初めて行われたのは1890年のことであり、最も有名な試合は1993年のFAカップ準決勝で対決し、その際は延長戦の末、2-1でシェイフィールド・ウェンズデーが勝利した。